リスク管理(高血圧・高脂血症・糖尿病)
心臓血管病の危険因子は1.高齢(65歳以上)、2.喫煙、3.高血圧、4.脂質異常症、5.肥満(BMI≧25)(特に腹部肥満)、6.メタボリックシンドロ-ム、7.若年(50歳未満)発症の心血管病の家族歴、8.糖尿病と考えられています。コントロールが悪いと、脳、心臓、腎臓、大血管、網膜などの臓器に障害を起こします。まずは適正体重の維持(BMI<25)、運動、節酒、禁煙など生活習慣の改善が大切です。それでもコントロール不良であれば、内服治療が必要になってきます。 |
高血圧に使われる主な降圧剤
- アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬、血圧を上げるアンジオテンシンという物質が生成されるのを抑制)
- アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB、血圧を上げるアンジオテンシンという物質が作用する場所にはたらき、アンジオテンシンの作用を妨げる)
- β遮断薬(血圧の調節に関係している神経に作用)
- カルシウム拮抗薬(血管を拡張させることによって血圧降下させる)
- 利尿薬(血管の中の水分を減少させることによって血圧降下させる)
その他にも、α遮断薬、アルドステロン拮抗薬、などさまざまな降圧薬がありますが、個々の患者さんの症状や合併症、体質に応じて選択されます。
糖尿病に使われる主な内服薬
- 速攻、短時間型インスリン分泌促進剤
- αグルコシダーゼ阻害剤(腸からの糖の吸収を遅らせる)
- ビグアナイド薬(インスリン抵抗性改善剤)
- チアゾリジン薬(インスリン抵抗性改善剤)
- スルホニル尿素剤(長時間インスリン分泌促進剤)
- インクレチン関連薬(血糖にあわせインスリン分泌促進)
内服薬の効果不十分であったり、多剤併用が必要な時は早い段階からインスリン注射も考慮されます。
高脂血症に使われる主な内服薬
- HMG-CoA還元酵素阻害剤。 LDLコレステロールが作られる時に必要になる酵素の働きを阻害し、LDLコレステロールが生成阻害
- フィブラート系薬. 主に高トリグリセライド血症の治療に用いられ、肝臓で中性脂肪生成阻害
- 陰イオン交換樹脂剤. 胆汁酸再吸収阻害
- 輸送タンパク阻害. コレステロール吸収阻害
- ニコチン酸系薬剤. 遊離脂肪酸放出抑制